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「実践!区分所有入門」

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■第二回

「物件検討」

 

〜検討物件の基準を決める〜


 今回は、実際の物件選別に際し、私がどういう基準をおいて物件を探したのか、判断する際に使っている便利なツール等もご紹介します。
 より具体的な内容ですので、皆さんが区分所有物件を検討される際に、参考になるのでは?と思います。

条件
便利なツール
渋谷 桜丘の物件検討

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条件

 今回、1年ぶりに物件探しを再開して、都心部の中古ワンルームの成約価格が上がり、物件の足も早くなっているのを実感しましたので、改めて、今回の物件購入のテーマを検討してみました。

 区分所有の課題は、建物の老朽化対策出口戦略です。

 所有物件が1物件だけの場合は、一定期間家賃収益を得た後、老朽化前に売却し、利益を確定するのが定石です。
 しかし物件が複数あれば、対策の選択肢が増えます。
 例えば、築年と資金回収期間、立地を分散させ、継続していく方法が考えられます。

 私の場合、限られた資金でのスタートだった為、立地と利回り最優先にしましたので、所有物件が都心部の'80年前半築に集中していました。
 このため、シミュレーション上では、私自身が70歳前後に、纏めて建替えなどの問題が発生することになっていました。もちろん、それまで保有しているか、自分がどうなっているかも不明ですので、あくまで目安ですが。

 築年対策として、既に数年前、地方に、築浅物件も購入したのですが、将来の賃貸需要を考えると、首都圏の物件の平均築年数の若返りも計りたい所です。
 そこで、「首都圏」、「なるべく築浅('90年築程度)」、「高利回り」をテーマに探すことにしました。

 必然的に、都心の築浅ほど利回りは低下しますので、老朽化との妥協点を見極め、築後47年以内に投下資金を全額以上回収でき、物件寿命を仮に60年と仮定した場合、その間で投下資金の少なくとも2倍以上を回収、自分の寿命の間は建替えを回避できることを目安としました。
 
 私が個別物件について検討する時に使う自作のエクセルシミュレーションツールでは、立地条件が、空室率と家賃低下率のパラメータとして効いていくるようになっています。他にも、諸費用(専有部リフォーム、共用部修繕費等)などもパラメータを振って入力し、購入判定の参考としました。

 読者の皆様は沢さんの鑑定ツールをご自分に合うようアレンジされて、お使いになれば良いかと思います。

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便利なツール

 今の時代、物件情報をインターネットで得るのは、一般的になりましたが、不動産業界で、この道何十年のベテラン営業マンの中には、未だにインターネットもメールも使わず、人脈を駆使されて、マイソク情報とFAX、電話一本槍という方もおられます。実は、こういう所に意外な川上情報があったりします。

 その情報をいち早く受け取るのに、自宅FAXでしか受信できないのではサラリーマンには不便です。そういう時に、FAXをメールの添付ファイルとして受け取れるD-FAXというサービスは便利です。

 相手が普通にFAXを送信するだけで、こちらはメールを受信し、その添付ファイルとしてFAXの送信内容を画像ファイルで見られますし、受け取ったデータを電子媒体で保管、整理できる点も魅力です。

 更に今は、インターネット上で、地図だけでなく、都心部は衛星写真画像まで見ることができます(Googleマップの「サテライト」等)。それらにより、現地へ行く前に大体の周辺環境を知ることができます。(影の角度と長さから日照までも分かります)

 他にも、周辺の賃貸募集のサイトを検索して、同じ物件の他の部屋が写真付で入居者募集をされていないか探すと、検討している物件の外観等まで分かる場合があります。

 こうして集めた情報を基に、シミュレーションすることで、街の雰囲気や共用部内部の管理状態等を、時間と労力をかけて現地調査を行う価値があるのかが、10〜15分間程度で判断することができるようになりました。

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渋谷 桜丘の物件検討

 探し始めて暫くして、R2社さんから、私の持つ田園調布の物件と同じ法人オーナーが、JR渋谷駅から徒歩4分、桜丘の物件の売却依頼を受けた旨の連絡が入りました。

 1982年築、戸数36戸、20.5uのワンルームで、1180万円。
 グロス9.2%。築年が希望より古めでしたが、抜群の立地と部屋の広さのわりに、周辺相場よりもかなり安めの値付けになっていました。

 この売値でシミュレーションしてみると、築後43年時点で資金回収。築60年で投下資金+720万円程度のキャッシュフローと出ました。(礼金、更新料収入無し。管理費、積立金、家賃下落、空室(滞納)、固定資産税、長期修繕費、内装リフォーム支出等考慮で計算)

 これが、仮に土地付1棟の場合なら、立地抜群の土地が残りますので十分かもしれません。 しかし区分所有の場合、賃貸寿命内で十分な資金回収ができないとなると、適当な期間で売却して利益確定できるか?が鍵となります。
 立地を考えれば、建物が古くなっても、いい価格で拾ってくれる「神様」が将来も現れる可能性があります。・・・それなら、賃料による資金回収だけにこだわる必要はないかもしれません。

 逆に売主の立場でシミュレーションしてみると、現オーナーが仮に新築時から保有し賃貸し続けたとすると、賃料だけで既に十分投資資金回収は終わっている計算になります。(実際は新築時からのオーナーさんではありませんでしたが)

 今度は、適正と思われる価格を算出するため、築年数と賃貸キャッシュフローだけから検討することにし、立地から考えて、家賃低下率を1%/年以下、稼働率90%/年以上に漸近させてシミュレーションしてみると、1000万円以下というラインが出てきました。

 次に、インターネット地図、衛星写真で物件周辺を観察してみると、南周辺に高層建築物がなく、日当たり、眺望なども良さそうです。後は、物件とその周辺を実際に見てみて検討することにしたのですが、この週は仕事が忙しく都心へ出る時間がとれなかったので、週末の夜間に行ってみることとしました。

 翌日、R2社さんへ連絡し指値の可否を伺い、金曜夜に物件を見て回答したい旨を連絡したのですが、翌日、1100万円で別の方から指値が入って、そちらへ決まったとの連絡がありました。 この時、物件の足が非常に速くなって来たのを実感しました。

 せっかくでしたので、金曜の夜、参考までに物件を見に行きました。
 桜丘といえば、そのまま代官山の住宅街へと続く静かな環境です。渋谷駅前ロータリーの歩道橋を渡り、国道246号を超えると、駅前の喧騒が嘘のような静けさに変わります。物件は2年程前に大規模修繕が終わったばかりで、外壁、内部とも非常に綺麗でした。屋上まで行って覗いてみましたが、防水もピカピカ状態。貯水槽、配水管にも錆はありません。(内部は分かりませんが)これらに多大な費用がかかったはずなのに、マンションの修繕積立金は順調に積み上がっていました。

 実際に見てみて、立地と建物に関しては申し分ありませんでしたが、築年と賃料での資金回収期間の面から考えると、私にはやはり手が出せませんでした。


 次回は、更に価格高騰を実感した渋谷道玄坂の物件を、私がどういう風にチェックしたのか、より具体的にご紹介する予定です。お楽しみに!


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