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お宝不動産TOP >> 「実践!区分所有入門」 >> 第三回「物件検討」
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「実践!区分所有入門」

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■第三回

「物件検討2」

 

〜私の妥当価格の割り出し方〜


 今回は、検討はしたものの、購入に至らなかった道玄坂の物件をとりあげ、私が妥当と考えた価格を算出するまでの過程を、具体的にご説明します。

渋谷 道玄坂の物件
データ考察
価格の算定
高めの価格で購入する根拠は?

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渋谷 道玄坂の物件

  桜丘の物件を調査に行った夜、その近所に小さな不動産屋さんがあったので、飛びみで物件紹介をお願いしておきました。

  1〜2週間後に、そのT社さんから、渋谷駅徒歩7分、道玄坂にある物件の紹介を受けました。1978年築、全戸数156戸、16.6uのワンルームで、880万円。
 グロス9.5%。ここは戸数が多い分、管理費、修繕金の積立残高は有利ですが、建築基準法の耐震基準、建物寿命と資金回収の両面から築年数がネックと考えました。

 いつものようにインターネットで見てみますと、一般媒介物件で公開されたばかりで、外観写真もあり、大規模修繕が終わったばかりのようです。

 シミュレーションでは、築後47年間では資金回収ができない計算となりますので、その前に資金回収+何がしかの利益が出る価格で買取って下さる方が現れない限り、投資できないという判断になります。この立地なら、それも可能かもしれませんが。。。。。。。

 ここも参考のために、夜間、物件を見学してみました。外回りは大規模修繕済みですが、共用部内装は費用の関係か、未着工でした。7〜8割はオフィス用途で使用されていました。

 

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データ考察

  物件を紹介され、現地を見て歩いていると、ついつい熱くなって、感情が先行する場合もあります。そこで、少し冷静になって、道玄坂の物件について簡単なデータ処理とシミュレーョンをしてみました。 この物件について、全棟の1984〜2005年の売買価格を集計してみたのが下図です。

(出典:東京カンテイ
 今回の売主は、新築当初からのオーナーで、十分資金回収ができたので現金化したいとの意向でした。新築当初の価格はデータから1,000万円程度だったと推定されます。今回の売出し価格設定880万円(坪単価174万円)は過去の取引事例価格や周辺の物件相場から考えても、安めの設定です。

 何故これほど安く出せるのか?仮に現時点の7万円/月の家賃で、27年間賃貸していたとしても(道玄坂でこの価格は安いです。実際にはもっと高い家賃だったに違いありません)単純に2,268万円の賃料収入を得ておられる計算です。

 もちろん、空室、滞納、修繕費、各種税金、諸経費などがあったでしょうが、従来は、礼金2ヶ月、更新料1ヶ月をとれた時代でしたのでこれで十分賄えたはずです。内装リフォームも、これまでなら敷金2ヶ月で清算可能だったはずです。従って、仮に全額現金で購入していたとしても、家賃収入で十分投下資金と更にその倍程度を回収できたことが分かります。

 単純計算では27年間で約227%、年平均8.4%の利回りです。その間のキャッシュフローは別の方法で複利運用可能ですし、税金面でのメリットもあったはずです。

 理論的には、今、無料で譲っても利益は確保されるため、880万円という安めの設定ができ、こういう背景なら安めの指値が入っても応じられますので、きっとすぐ成約するだろうと感じました。

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価格の算定

 更に、データをもう少し加工してみました。
 バブル後、1996年以降のこの物件の売買坪単価推移を纏めたのが下図です。青い折線が実際の売買坪単価で、階数や向、広さ、間取り等のばらつきはありますが、2001年頃を底に明らかに上昇傾向にあります。
 特に、2004年以降、ペイオフの影響か高値傾向が続いています。

(出典:東京カンテイ
 今回の売出坪単価を赤星でプロットしました。この価格が家賃収入という視点から見て、投資できるか、検討してみます。

 緑の点線は、築後47年までに投下資金を回収できる購入価格をプロットした計算値です。 売出価格(赤星)は47年回収線(緑点線)より上にあるため、この価格で購入しても築47 年で投下資金が回収できないことが分かります。
 それでは、実売買価格(青折線)と47年回収曲線(緑点線)がクロスする2001年以前に青折線で購入した場合はペイしているか?という設問があったとします。

 上記の表を見てみますと、2001年の売価を回収するまでは24年間を要することになります。これは許容できる年数か?購入者が例えば個人の場合、24年後に何歳で、どういうライフスタイルか?そして、資金回収できたとき、建物は築後47年経過していますので、そのときどんな状態になっているか?
 これを購入者はどう捕らえ、処理するのか?という問題になってきます。

 ちなみに、データは私のセミナー、DVDでご紹介したエクセルシートで計算しましたが、沢さんの「お宝不動産鑑定ツール」に少しご自分で手を加え計算されると良いと思います。

 この物件を通じ、区分所有の堅実な出口戦略を実践されているオーナーさんに出会えたことが、私にとって貴重な経験でした。(この利回りが投資に値するかの判断は個人差があるかとは思います。結果論で言うと、バブルの時売却していれば利益はより大きかったはずですので。。。)

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高めの価格で購入する根拠は?

 この他にも、恵比寿駅前の大手ディベロッパーの高級マンションで1983年築、18u、1250万円、グロス8.2%の物件や、恵比寿ガーデンプレイス近くの1983年築、13uの物件で、数年前に700万円で売れてなかったものが、最近になって、890万円、グロス9%で再度売りにでていました。

 これらは、いずれもすぐに売買が成立したそうですので、買っておられる方は別の尺度から判断されていることになります。購入の根拠と考えられるものは・・・

  ・自己使用
  物件自体での投資目的でなく、自己所有事務所として、ビットバレーと呼ばれているベンチャーの泉である渋谷のロケーション価値を買う。あるいは、どうしても道玄坂や恵比寿に住みたいという方もおられるかも知れません。

  ・所有満足
   とにかく、渋谷の一等地に物件を所有したいという満足感。

  ・周辺相場との比較
  賃料による投下資金回収でなく、周辺相場との安値感から購入される方。

 ・売買益
   投資目的で、将来、上記のような購入者を含めた買手による売買価格上昇を期待して投資し、売買益を狙うという考え方。

  ・プロの買取業者さんの転売益狙い
  私もつい先日、このケースに遭遇した経験がありますので、別の機会にご紹介します。


 賃料での投下資金回収の視点からも、賃料が上がるという期待感から将来価値を買うという考え方もありえます。
 一方、ロケーション的に、賃料での投下資金回収は難しいと考え、別のロケーションを検討するという考え方もあります。

 読者も既にお気づきのように、本コラムで実際の物件を私とご一緒に検討してこられたわけですので、現在、都心部の好ロケーション物件は収益還元の考え方が成り立たないレベルに高騰してしまっています。(特殊事情の物件を探せばあるはずですが、そのチャンスは以前に比較するとずっと少なくなってきています。)

 空室になってもすぐ埋まる立地を、と歌謡曲にあるように「銀座、赤坂、六本木、渋谷、新宿、池袋〜。」と行けば、賃貸需要は旺盛でしょうが、一般的な中古価格は、築年数との時間軸も考慮した場合、賃料での収益還元できる領域を超えているということです。

 そこで次回は、具体的に私が購入したエリアと対象物件の絞りこみ根拠、購入物件のリストとその選定理由のご紹介をさせて頂きます。



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