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お宝不動産TOP >> お宝税理士「税務塾」 >> 第六回「実質所得者課税」
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■第六回

「実質所得者課税」

 

〜持分と所得分散〜


夫が不動産の賃貸物件を購入しました。
不動産の管理運営を、夫と共にやってゆくのですが 妻である私は
夫の青色事業専従者になるだけしかできないのでしょうか。

実質所得者課税とは
税務署はどのように判断するのか
実質所得者課税の問題点
持分と贈与税の関係「実質基準・形式基準のすり合わせの問題点」

法人の有利性はゆるがない?!

実質所得者課税とは

税法には、形式基準・実質基準という2つの考え方があります。
形式基準とは、不動産賃貸であれば登記名義人=不動産所得を申告する人という考え方です。
一方、実質基準とは、登記名義人に関わらず実際に賃貸物件の管理・運営等を行なって賃貸収入を得ている人が不動産所得を申告するという考え方です。

不動産賃貸を行なっている場合に、必ず登記名義人が確定申告をしなければならないという認識を持っている方が大半のため、実態は違っていても形式基準に基づいた確定申告をしている方も多いようです。

不動産絡みの質問で「法人化」の次に多いのが、登記(持分)と所得分散(確定申告を誰が行なうのか)に関するものです。
この手の質問の答えとしては、いつも同じ様に説明をしています。

形式基準はあくまでも書類上の話であって、実態の判断に基づいて『誰が申告するべきか』という結論を本来は出すべきなのです。
これを『実質所得者課税』といい、つまり、登記名義人=不動産申告者の考え方で課税すべきではないという解釈をするのです。

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法人の有利性はゆるがない?!

税務署はどのように判断するのか

税務署は、まず形式基準のみで判断します。
書類上の問題点が無いということを確認するのです。
登記名義人が所得を認識していれば、問い合わせは殆んどありません。
でも実際は共同管理・運営で行なってゆく際に、管轄税務署(※1)への合理的な説明がなされたときは、たとえ、持分と確定申告者が不一致な状態であっても、実質基準による申告は可能となります。

(※1)
管轄税務署にきちんと合理性を認めてもらう必要があります。
持分・経営状況などが複雑なケースは事前に確認をとるべきでしょう。
不動産に限ったことではありませんが、まれに、管轄税務署の担当者によって実質基準の判定の法解釈がまちまちであることもあるので、慎重にリサーチすべきでしょう。

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法人の有利性はゆるがない?!

実質所得者課税の問題点

では、実質基準での申告について合理的説明が成立していれば、全く問題が生じないわけではありません。
資産税関係(譲渡所得・相続税など)の問題点は生じます。
物件の内容により様々ですが、おおむね下記の2つの点について注意が必要です。

(問題点:1)該当物件を譲渡した場合の確定申告
◆譲渡した際は、保有者(登記名義人)が譲渡所得を申告します。
◆事業用資産の譲渡の優遇規定が使えない場合もあります。
(問題点:2)相続税の確定申告
◆小規模宅地等の減額ができない宅地となってしまう場合もあります。
→(土地所有者が死亡した場合)

物件所有者と賃貸経営者が異なるから優遇規定が使えないというわけではありません。
所有者と賃貸経営者との親族関係や共同経営・管理の割合などにより、優遇規定の取扱いも変わるため、即断はできないのです。
ご自身の状態を判断する為には、設定内容などを吟味する必要が生じます。

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法人の有利性はゆるがない?!

持分と贈与税の関係「実質基準・形式基準のすり合わせの問題点」

形式基準=(イコ−ル)実質基準とすることを念頭に置いて、所得分散効果の基に持分を分け、その持分に応じた不動産所得を認識すれば、一見課税が適正に行なわれていると判断しがちです。
持分と所得認識に整合性を見出せるので、確かに所得税法上の不合理は生じていません。

しかし、その持分を取得するのに誰が資金を捻出したのでしょうか。
贈与になりませんか。
持分を整えた不動産賃貸を考える場合には、必ずセットで贈与税の問題が生じるか否かを考慮しなければなりません。

では、資金面での調整がつかない場合に即、『贈与税の課税』というものなのでしょうか?それほど単純なものではありません。
贈与とされない条件としては、親族間での金銭貸借契約を実行し、返済も確実に説明がつくかたちを残して(毎月定期的に振込み返済するなど)ゆくことです。
『かたちを残す』という言葉を遣いましたが、当然『本当にかたちだけ』というのはいけません。
適法である状況(※2)が前提にあって初めて『適性な返済』となり、贈与とされないこととなるのです。

ですから不動産の取得・管理・運用・処分など不動産の利用形態等の変更を伴う計画をお持ちの方は、必ず事前に税務上のアドバイスを受けることをお奨めします。
不利な立場での計算にならないように対処してゆく必要があります。

(※2)
適法である状況とは、返済する方が実際に返済できるだけの収入面の裏付けが必要ということです。
たとえば、他の所得収入と不動産の賃貸収入で徐々に返済してゆくことが可能であれば、『裏付けあり』と判断されるでしょう。
返済額については、親族間での取決めですので若干、緩やかな返済計画でも、きちんと返済が行なわれるようであれば問題はないでしょう。


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