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■第九回
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「平成18年度税制改正大網 考査」
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〜今後の税のゆくえ〜
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平成17年12月15日付で自民党の「平成18年度税制改正大網」が発表されました。
68ペ−ジにもわたる報告内容ですが、論点をある程度
しぼってまとめてみました。
もちろん、これが最終決定ではありません。しかし、今回の報告内容の大半はそのまま来年3月におこなわれる国会審議において正式な法律となって適用されるでしょう。
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個人所得課税(税源委譲)
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現行では、住民税もある意味3段階の超過累進税率であるが,今後10%の一律税率が適用されます。(資料1)(資料2)
税源委譲とは、あくまでも国と地方との税徴収のシステムの話であり、納税者側からすると住民税負担がフラット化するという認識でよいでしょう。これにより、直接の大増税というわけではないのですが、他の所得税の改正などと絡めると、誰が有利で誰が不利なのかが判別しづらい気がします。
国側もそれを狙っているのかもしれません。もちろん、昨年度の段階で案件としてあがっていた定率減税(資料3)も廃止となります。
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安心・安全への配慮
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主に昨今の話題となっている、耐震基準に満たない住宅に絡んだ税制改正です。主な項目としては、下記のとおりです。
所得税:ア.耐震税額控除の創設(資料5)
(耐震基準を満たない住宅の自発的な耐震改修について)
イ.地震保険料控除の創設(資料4)
固定資産税:税額の減額制度
他にアスベスト対策税制(資料6)もあります。
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産業競争力・経済活性化の促進
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| 大企業対策として |
| 法人税: |
ア.情報基盤強化税制の拡充
(試験研究費の増大に向けて)税額控除制度などが拡充される |
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イ.業績連動型役員賞与の損金算入の創設(非同族会社に限ります)
業績部分の賞与がすべて損金に入るという簡単な仕組みではないようで、 限度額が設けられます。 |
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ウ.同族会社の一定役員の給与のうち、個人所得税の計算で控除される給与 所得控除額(給与の経費的なものですよね)部分は損金不算入となる。
(細かい要件があるため、精査が必要です。) |
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| 中小企業対策として |
| 法人税: |
ア. 中小企業技術基盤強化税制の拡充
ソフトウェアの特別償却・税額控除なども追加されます。 |
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イ.同族会社の留保金課税の見直し(資料7)
(対象法人の判定基準などが変更されます。) |
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ウ.交際費の基準を明確化(資料8) |
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| 相続税:非上場株式の物納要件の緩和 |
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法人税・所得税共通:少額減価償却資産の即時償却の見直し(資料9)
(青色申告者の30万円未満の固定資産のことです。) |
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土地・住宅税制
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土地関連税制は、主として優遇規定の延長又は税額軽減等が見受けられます。
登録免許税:土地の売買等に係るものの軽減税率(資料10)(資料12)
贈与税・相続税:相続時精算課税制度の特例について2年延長
(住宅資金3,500万円までの贈与時の無税制度のことです。)
固定資産税:税制度を納税者に分かりやすい簡素なものにする(ホントかな)
全体的に税額は軽減方向です。
所得税・法人税共通:優良賃貸住宅の割増償却制度の変更(有利拡充)(資料11) |
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国際課税
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皆様には直接あまり関わりがないかもしれませんが、
所得税:非永住者(5年以内の期間日本にいる外国人の方)の再検討
法人税:過少資本税制の適正化を目指す。
(海外法人からの借入資金で運営している企業の不利規定)
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酒税制度
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皆様にも深く日常の関わりがおありかもしれませんが、(消費者として)
酒税:酒分類の方法を変更し、税率調整に中立性を持たせる。
(要は、ビ−ル類のフラット化を言いたいのですね)
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円滑な申告納税のための環境整備
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相続税:物納制度の事務手続き等の迅速化・明確化
所得税:源泉徴収票の電子交付を可能とする。
(もちろん、現行のまま書類で交付してもよいです。)
公示制度:いわゆる高額納税者(長者番付)の公表を廃止する
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具体的税改正内容(主たる内容のみ)
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(資料1)所得税の税率改正
平成19年分以後(提出が平成20年3月)
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| 現行所得税 |
税率 |
課税所得
330万円以下 |
10% |
| 900万円以下 |
20% |
| 1,800万円以下 |
30% |
| 1,800万円超 |
37% |
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| 改正案所得税 |
税率 |
課税所得
195万円以下 |
5% |
| 330万円以下 |
10% |
| 695万円以下 |
20% |
| 900万円以下 |
23% |
| 1,800万円以下 |
33% |
| 1、800万円超 |
40% |
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(資料2)住民税の税率改正
平成18年分所得(平成19年3月提出)に対する住民税から
(実際の住民税納付は、平成19年5月分ぐらいから)
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| 現行所得税 |
税率 |
課税所得
200万円以下 |
5% |
| 700万円以下 |
10% |
| 700万円超 |
13% |
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| 他に、人的控除額(扶養控除・基礎控除・配偶者控除など)の所得税と住民税の差を補う制度も構想しています(住民税が最低でも2,500円減額となる)また、分離課税(土地建物・有価証券の譲渡等)の税率が変更されています。よく見ると都道府県税と市町村税の内訳変更が多く、特に大増税というものではありません。詳しくは公表大網をご覧ください。 |
(資料3)定率減税の廃止の実施時期
所得税:平成18年分の確定申告分から(提出は平成19年3月)
住民税:平成18年度の支払いから
(確定申告ベ−スですと、平成18年3月提出の課税所得で
計算した住民税からとなるため、要するにもうすぐですね。)
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(資料4)平成19年分の所得税から(提出は平成20年3月)
地震保険料控除:現行の損害保険料控除と合算で最高5万円の所得控除となります。ちなみに地方税は国税の半額の控除です。 |
(資料5)平成18年分の所得税から(提出は平成19年3月)
既存住宅の耐震改修費の10%(20万円が限度)の税額控除がとれる。
(改修該当期間:平成18年4月1日から平成20年12月31日まで)
これに関連して改修工事に伴って取得される建物について10%の特別
償却も創設。
特別償却と税額控除については、適用範囲・要件などが異なっているため、
実際の適用については、ダブル適用は難しいものと思われます。
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(資料6)公害防止用資産にアスベスト廃棄物処理設備を追加
同資産の特別償却※が認められるということです。
※私個人の意見としては、特別償却はあまり優遇規定のイメ−ジはありません。なぜか。償却が早期に行えますが、償却総額が増えるわけ
ではないため、当面の資金繰りの面では優遇かな〜と思っています。
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(資料7)留保金課税
適用判定は1株主グル−プのみで判定(現行は3株主グル−プ)
中小の免除範囲⇒不適用法人の承認を必要とします。
留保金課税の対象範囲が拡がったため実質的には増税改正と言えます。
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(資料8)交際費の基準
一定の飲食代※のうち5,000円以下の部分は、法人税において交際費
課税はない。
※一定の食事については、通達で後日詳しい内容が示めされるでしょう。
お願いだから、「社会通念上」「常識的範囲内」という訳の分からない
基準はやめてほしいですね。ビ−ル何本など具体的にゆきましょう(笑)
これは余談ですが、交際費課税は半永久的となっていますが、2年ごとの更新税制なのですよ。(いつ、やめるのでしょうか。)
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(資料9)少額減価償却資産は合計300万円まで
個々の価額が30万円未満の資産の一括経費はそのまま認められますが1年度で300万円を超える場合は、超過部分は通常償却をしてゆく
ことになりそうです。
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(資料10)登録免許税の軽減※(抜粋)
土地売買による所有権の移転登記 1000分の10(本則1000分の20)
土地信託の信託登記 1000分の2(本則1000分の4)
※会社分割取引は、増税改正となるものもあります。
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(資料11)特定優良賃貸住宅の割増償却
一定の「特定」優良賃貸住宅については、5年間36%の割増率(耐用
数35年以上は50%)となる。
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(資料12)その他
ア.不動産所得税:住宅不動産の3%の軽減税率の適用が延長
イ.固定資産税:負担調整措置は、現行の減額措置は延長
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